当院でのワクチンの取り組み
ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあり、インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンは、不活化ワクチンです。帯状疱疹ワクチンには生ワクチンがありますが、免疫抑制剤・抗癌剤使用されておる方、関節リウマチ・乾癬・強直性脊椎炎等でMTX、タクロリムス、生物学的製剤、JAK製剤を使用している方には生ワクチンは使用できません。
1.肺炎球菌ワクチン
成人は65歳から免疫機能が低下するため、肺炎に罹患しやすくなり、原因菌は肺炎球菌が一番多いといわれています。肺炎で亡くなる方の約98%が65歳以上であることから、特に高齢者では肺炎球菌肺炎を予防することが重要になります。
ワクチンには多糖体ワクチンと結合型ワクチンの2種類があります。23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は肺炎球菌を包む莢膜の多糖体を抗原として使っています。接種するとB細胞が活性化して免疫効果を発揮しますが、T細胞が関わっていないため、長期的な免疫記憶は確立しづらいと考えられています。現在は2回までは接種可能とされています。
一方の13価ワクチン(プレベナー)は結合型ワクチンで、莢膜の多糖体にキャリアタンパクを結合することにより抗原性が高まります。キャリアタンパク質がT細胞を活性化し、免疫記憶が確立する訳です。次に同じような菌が来たときに早く免疫応答ができると言われています。免疫原性の高さ、免疫の持続期間から考えると、プレベナーが有利ですがカバーする血清型は、ニューモバックスの方が多いため、両方接種する必要があります。
ニューモバックス、プレベナーとも接種可能です。公費接種の方や、年齢、患者様の免疫の状態にあわせて接種を相談させていただきます。
2.インフルエンザワクチン
インフルエンザ感染症とは、インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症です。毎年11月下旬~12月上旬に流行が始まり、翌年の1月か2月にピークを迎えます。インフルエンザワクチンの効果としては65歳以上が 34~55%、65歳未満の方は70~90%とされ、重症化(主に死亡)を抑える効果は、65歳以上で82%といわれています。インフルエンザワクチンの予防効果は接種後2週間くらいから現れはじめ、4週間後くらいにピークになるといわれていますので12月までに接種をお勧めします。
3.帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は50歳代から発症率が高くなり、80歳までの約3人に1人がかかります。帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが残ることがあり、50歳以上で帯状疱疹になった約2割に、期間は6か月から1年以上になることもあります。
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、当院では不活化ワクチンである「シングリックス®」を採用しております。これは帯状疱疹を予防するために独自に開発されたワクチンで、ウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンで、生ワクチンではありません。従来のワクチン(水痘ワクチン)に比べて帯状疱疹を予防する効果が高く50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%の発症予防効果が認められています。また、発症予防効果が少なくとも9年間認められています。
接種対象年齢は、50歳以上で、過去に帯状疱疹にかかっていても接種できます。これは筋肉注射で2か月後に2回目の接種を行います。なんらかの事情で接種困難な場合でも6か月以内に接種する必要があります。
接種後の主な副反応としては注射部位の痛み78% 赤み38% 腫れ26%、全身性の副反応では筋肉痛40%、疲労39%、頭痛33%、悪寒24%、発熱18%、胃腸症状13%です。これは体の中で強い免疫をつくろうとするためといわれており、7日以内に多くの副反応は弱くなっていきます。接種後1週間は副反応の出現に注意し、気になる症状が現れた場合は速やかに当院に連絡してください。
尚、当院では全てのワクチン接種後30分院内で待機していただきます。
ワクチンは自分を守り、家族を守り 集団発生させないことが重要です。
4.新型コロナワクチン3回目
当院に通院されている方で、2回目のワクチン終了後六ヶ月たって ワクチン接種券のあるかたは3回目の施行を行います。まえもって予約が必要です。
料金表(税込)
インフルエンザワクチン (自費) |
3,000円 |
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インフルエンザワクチン (公費) |
1,500円 |
肺炎球菌ワクチン (公費) |
4,000円 |
肺炎球菌ワクチン (自費 ニューモバックス) |
8,000円 |
肺炎球菌ワクチン (自費 プレベナー) |
10,000円 |
帯状疱疹ワクチン 不活化 (自費 シングリックス) |
23,000円 |
RSワクチン (自費) |
25,000円 |
新型コロナワクチン (ファイザー) |
3,260円 |